密教の世界のリアルを学べるマンガ

今回は、おすすめの密教マンガを紹介します。

 

以前、密教感あふれる場所として待乳山聖天について記事にしましたが、その記事を読んだ知り合いの山伏の方から教えて頂いた漫画です。

 

 

経緯としては、僕がそこの聖天さんで祈祷を受けようと思っていました。

 

それを知った山伏の方から祈祷受けるなら、聖天さんについてもう少し知っといた方がいいよ、というアドバイスを頂いて、聖天さんについて学べる漫画ということでご紹介いただきました。

 

 

密教僧 秋月慈童の秘儀 霊験修法曼荼羅

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以下、この作品の紹介文です。

「さまざまな秘術・法力を操る実在のサイキック僧侶・秋月慈童。その驚愕と戦慄の実話エピソードの数々を、オカルトホラーマンガ界の第一人者・永久保貴一が描いたノンフィクションコミック。」

 

オカルトホラーマンガなんてジャンルあるんですね(笑)

 

 

作者の永久保さんが、実在する密教僧の方を取材して描かれたマンガです。

 

呪いが出てきたり、霊を除霊したり、オカルト感満載です。

 

 

最初のエピソードから衝撃的でした。

 

聖天さんが最初から登場します。

 

聖天さんは秘仏なので、通常は厨子(ずし)と呼ばれる箱のようなものに入っていて、中身が見えないようになっています。

 

しかし、それを開けて見てしまった人や悪口を言った人が、次々にお亡くなりになっていくというところから話がスタートします。

 

 

それに対して、密教僧の秋月さんが対処したり、アドバイスをして話が展開していきます。

 

仏教では如来、菩薩、明王、天という神様に種類によってグループ分けがされているのですが、聖天さんは、天というグループに入っています。

 

そのグループのうち明王や天の神様は、人間的な感情が豊かで、マナーや礼儀がなっていないとしっぺ返しがあるそうです。

 

しっぺ返しがけっこう強烈ですが、それは力がある証拠なので、マナーをわきまえていればその分ご利益も強烈だということも描かれています。

 

プラスな面もけっこう描かれているので、ホラーマンガとはいえ、怖い要素はそこまでありませんでした。

 

こうした密教の世界の決まりや世界観のリアルを、このマンガで知ることができます。

 

 

普通に密教の世界観を知りたいとか、小さいころから日本人が神社やお寺に親近感がある感覚の延長線で読んでも楽しめるマンガなのですが、それとは違った視点でも楽しめます。

 

 

この作品では、神様をスマホやパソコンのアプリだったり、ソフトウェアのような情報体としてみる視点でも楽しむことができます。

 

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画像は「photoAC  より引用

 

密教では、魂入れ(たましいいれ)、魂抜き(たましいぬき)という法要が行われます。

 

何かというと、仏像や依り代に神仏を降ろしたり、仏像や依り代から神仏に出ていただく儀式のことです。

 

仏像や依り代は、作ったらそれでいいというわけではなく、そこに神仏を降ろさないと機能を果たしません。

 

そこで、魂入れというのが行われます。

 

この作品でその様子を読んでいると、スマホやパソコンというハードウェアに、アプリといったソフトウェアをインストールしていくように、仏像というハードウェアに神様という情報をインストールしていくようにも見えます。

 

実際は、神様というのはスマホのアプリのように無機質な感じではなく、人間的な感情を持つ存在としても描かれているので、感情のある情報という点では、アプリとは異なります。

 

でも、情報という点では共通点があり、魂入れはアプリのインストールともどこか重なって見えます。

 

魂入れは、より身近な例でいうとお守りやお札などにも行われます。

 

神職や僧侶の人が魂入れを行うことで、ただの木の御札だったものに、神仏を憑依させ、お守りやお札として機能を果たすようになります。

 

 

あと、密教僧の秋月さんは話の中で、度々「システム」という言葉を使います。

 

他の霊媒師などの術者が書き換えた空間を「システム」という一言で表現していて、秋月さんは「〇〇が作ったシステムだから変えるのが大変」みたいな感じの言い回しをします。

 

どうも密教僧の頭の中には、呪いや神様というのを情報として認識するという視点もあるようです。

 

そんなこともこのマンガから学びました。

 

 

マントラを唱える秋月さんと大日如来との間を、マントラが目に見える形になって、両者の周りをグルグル周り始めるみたいなシーンがあったりもして、とにかく密教感満載のマンガでした。

 

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お好きな見方で楽しめるマンガです。

 

では、また(^^)/