コンビニの前にいるおっさんが、毎日『マトリックス』の世界に入っている話

僕の家の近くにセブンイレブンがあります。

 

毎日2,3回はその前を通るのですが、ほぼ毎日セブンの前に立っている50代か60代のおじさんがいます。

 

いつもスマホをずっと見ています。

 

毎回、若い女性の声がスマホから聞こえてきて、どうも女性インフルエンサーライブ配信を見ているようです。

 

コンビニの前にいるのはフリーWi-Fiを使うためだと推測しているのですが、それにしても今の時期夜だと気温が2~3℃くらいになることもあり、けっこう寒いです。

 

かなり寒いのにそんなこと気にせず、ライブ配信に夢中です。

 

つまり、物理的現実世界ではなく、仮想世界(『マトリックス』の世界)に入っているのです。

 

 

なんで寒さを気にせずに、ライブ配信の世界に入れるのかを考えてみると人間の仕組みを知ることができます。

 

人間の仕組みを知るということは、自分の仕組みを知ることであり、その仕組みを知ることは自分が何に縛られているのかを知ることになります。

 

何に縛られているか知ることは、自分にとっての「自由」を一つ選択できることにつながります。

 

 

人間の仕組みを知るキーワードは、今回3つあります。

 

・臨場感

 

・変性意識

 

ホメオスタシス

 

 

まず、臨場感というのは人間が物事をを認識する際に感じるリアリティです。

 

自分がリアルだと感じる感覚です。

 

小説が好きな人はその物語の世界にリアリティを感じ、テレビや映画が好きな人は、その映像の物語世界にリアリティを感じると思います。

 

その感じが臨場感です。

 

 

次に、変性意識です。

 

変性意識というのは、物理的な現実世界ではなく、仮想世界(情報空間)に臨場感を感じている時の意識状態のことです。

 

小説や映画を見ている時に、その世界に集中しているような意識の感覚があると思いますが、ざっくりいうとその感覚のことです。

 

普段生活しているときは、小説や映画を見ている時と比べて、意識が広がっている感じがあると思います。

 

目の視野も広がっています。

 

しかし、物語世界に入っている時は視野は本やスクリーンを中心にして、狭まっていて、意識する空間も普段より狭まっています。

 

これが普段より変性意識が深まっている状態です。

 

 

ところで、変性意識に対して通常意識はあるのでしょうか?

 

答えを言うと、通常意識はなく、人間は常に変性意識状態にあります。

 

ほんの少しでも、物理的な世界ではなく、仮想世界に臨場感を感じていたら、それは変性意識状態です。

 

人間は、言語を使いますが、言葉を使った時点で、物理的な物ではなく、言語空間という仮想世界(情報空間)に臨場感を持っていることになります。

 

ほんの少しでも、私たちが何か思考したり、何か頭にイメージを感じたり、心に何かを感じたりしたら、それは100%目の前に物理的現実世界に臨場感を感じていることにはなりません。

 

私たちは、いつも必ず数%は仮想世界(情報空間)に臨場感を持っています。

 

日常生活の中で、テーブルやイス、窓などが目にしますが、私たちが認識した時点で、過去に知ったテーブルなどに関する知識や経験が頭の中で想起されています。

 

知識や経験といった過去の記憶はイメージそのものなので、私たちは常に変性意識状態にいるのです。

 

ただ、小説や映画など見てる時は、普段より変性意識の深さが深いということです。

 

 

最後に、ホメオスタシスです。

 

これは生体と環境の間でのフィードバック関係の中で、生体を安定的に維持させる働きのことです。

 

夏に自分が汗をかく時を思い浮かべるとわかりやすいです。

 

人間の平熱は36℃ぐらいで、それが人間が安定的に生体を維持できる温度です。

 

夏の季節外に出ると、太陽の熱などで人間の身体の温度は上がるため、それを下げるため皮膚から汗がでて、それにより身体の温度を下げ、生体を安定的に維持できる平熱に戻します。

 

この時、自分の身体(生体)と太陽の熱など外界(環境)との間で情報のやり取りがあります。

 

太陽の熱で身体の温度が上がるという生体との環境の間で情報のやり取りがあります。

 

その結果、身体が安定的に維持できる温度に戻すため、汗を出すことで生体を維持させる働きをします。

 

このように、人間か常に自分と環境との間でホメオスタシスのフィードバック関係を保っています。

 

この例は、物理的な環境とのフィードバックでしたが、人間は仮想世界(情報空間)とホメオスタシスのフィードバック関係を築くことができます。

 

その例が、小説や映画になります。

 

小説を読んでいる時に涙を流したり、映画を見た時に映像の中の爆発を見て、ビックリしたり心臓の鼓動が速くなったりします。

 

これは、小説や映画の中の仮想世界と人間の身体がフィードバック関係を築き、ホメオスタシスによって身体が反応しているのです。

 

 

内容が濃くなり、文章が長くなったので、今回はここまでとなります。

 

とりあえず、今回お話しした臨場感・変性意識・ホメオスタシスの知識があれば、コンビニの前のおじさんから人間の仕組みを学ぶことができます。

 

次回、まとめに入ります。