臨場感・変性意識・ホメオスタシスを知ることで自分を自由にすることができる。
ここまで、臨場感・変性意識・ホメオスタシスというキーワードを学んできました。
臨場感は、今リアルだと感じている感覚のことです。
変性意識は、物理的な現実世界ではなく、仮想世界(情報空間)に臨場感を感じている時の意識状態です。
小説や映画を見ている時に、座っているイスの物理的な感覚が薄れていき、本や映像の仮想的な物語世界に入り込んでいる時の意識状態のことでした。
ホメオスタシスは、生体と環境との間でのフィードバック関係の中で、生体を安定的に維持しようとする働きのことをいいました。
人間が汗をかくのは、生体を安定的に維持できる平熱まで身体の温度をさげるためという話をしました。
そして、人間の場合ホメオスタシスは物理的な空間だけでなく、情報空間(仮想世界)まで広がっています。
小説を見て泣いたり、映画の中の爆発映像で驚き、心臓の鼓動が速くなるのは仮想的な物語世界と自分がフィードバック関係を築き、自分の身体がホメオスタシスの作用で反応しているということでした。
ここまで、前回のまとめでした。
前回出てきたおじさんは、気温が2~3℃くらいの寒さになっても、毎日コンビニの前で若い女性のライブ配信に夢中で、寒さを気に留めない様子だということでした。
ここで、臨場感・変性意識・ホメオスタシスというキーワードを使って、何が起きているか見ていきます。
一言でいうと、おじさんは外の環境よりも女性配信者のライブ配信空間の方が臨場感が高くなっているということです。
ライブ配信空間という仮想世界(情報空間)の方が周りの物理的空間よりも臨場感が高いということは、変性意識がそれだけ深まっています。
それだけ意識が集中しているということです。
ゲームしている時に、周りの音とか聞こえず、集中しているみたいな感じです。
ここで今回の記事で一番重要なことですが、ホメオスタシスは臨場感が高い空間に対して、より働きます。
つまり、おじさんの例でいうと外の環境よりもライブ配信空間に臨場感を感じていて、ホメオスタシスはライブ配信空間の方により働いているということです。
ということは、外の寒さに身体が反応するより、ライブ配信の映像を見て、その情報に対して身体や心が反応しているということです。
おじさんの心はわかりませんが、「かわいいなあ」と感じているのかもしれないし、もしかして、「(女性配信者の話が)勉強になるなあ」と思っているのかもしれません。
どちらにしても、臨場感の高いライブ配信空間に対して、よりホメオスタシスが働き、おじさんの身体や心が反応しているのです。
だから、寒さが気にならないのです。
冷静に考えれば、小説を読んでいる時に、座っているイスの感覚が気にならないという時と同じことが起きています。
ただ、寒さが気にならない話は、今の季節ならではだったのでおじさんを例に出しました。
今回のまとめとしては、臨場感が高い空間に対して、変性意識が深まり、ホメオスタシスは臨場感の高い空間により強く働くということです。
これが人間の仕組みです。
もっというと、人間の認識はこのようになっていますという話でした。
臨場感・変性意識・ホメオスタシスを知ると、自分が世界を認識する仕組みがわかり、仕組みがわかれば、自分がどの世界を認識するか自由に選ぶことができます。
少なくとも、自分を自由にする糸口を手にしました。