サムライと死

前回の投稿で、日本人の中で精神性や国家観が共有されていないという話をしました。

 

これに関して、メインの記事は別の機会にしますが、今回は前回僕が指摘した精神性とは別の精神性に関して情報を共有していきます。

 

 

日本人の精神性の1つとしてあるのが、「サムライ」です。

 

 

それを戦後見出した人がいます。

 

三島由紀夫です。

 

日本を代表する作家の1人で、『仮面の告白』や『潮騒』などで有名です。

 

潮騒』は僕も学生時代に読んだ記憶があります。

 

 

彼が、日本のサムライ精神を語っているインタビュー映像があります。

 

【日本語字幕】三島由紀夫インタビュー "侍伝統の美意識" - Yukio mishima interview "SAMURAI" - YouTube

 

 

1960年代にこれほど綺麗に流暢に英語で話せるというのが驚きです。

 

日本語ですら日本の持つ文化を語れる人というのも少ないと思いますが、これだけ抽象的な話を海外に発信できる国際人の1人でもあったんだと思いました。

 

ということで、サムライ精神に話は戻りますが、三島は「剣道の伝統的価値を発見した。かつての闘いは死を賭した決闘だ。」と英語で話しています。

 

 

同じようなことは、武家の末裔である苫米地さんも触れています。

 

著書の中で、コンフォートゾーンを広げてはいけないという具体例として、空手を習っている空手キッズからの質問から派生して、武術と武道の違いを述べています。

 

本来、試合は死合いであり、どちらかが死んで終わるものです。実際、かつての沖縄空手の達人たちも強さの証明をするのは「かきだみし」という死合いだったそうです。

引用元:苫米地英人,『オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~』,(サイゾー,2022),185.

 

武術の本質をこのような話を通じて、語っています。

 

三島は、剣道という言葉を使っていますが、伝統的価値として見つけたのは武術としての価値です。

 

 

サムライは滅多なことでは人を切りません。

 

もし切るとしてもお家断絶、死を覚悟してのことです。

 

"斬り捨て御免"には武士の厳しいルールがあった。史実の実例は? - 雑学カンパニー

 

 

三島は、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地の東京裁判が行われた建物でクーデター未遂事件を起こし、最期は楯の会のメンバーと共に切腹自決をします。

 

僕はなんでそんなことしたのか、以前は意味がよくわかりませんでしたが、三島はサムライとして命を賭して主張したのだと考えると納得することができました。

 

最期の演説は「三島 檄」(げき)などと検索すると聞くことができます。

 

三島の主張や事件の全てに対し賛成はしませんが、戦後の日本人が精神的に骨抜きになっていることに対し、憂慮していたというのは理解することができました。

 

 

三島の事件と共に僕の中では理解できないことがありました。

 

それは、東條英機と神風特攻隊の人たちです。

 

東條は東京裁判や収容所においても時折笑みを浮かべることがありました。

 

【4K】大森収容所で生活するA級戦犯 - War criminals in Omori camp - YouTube

 

自分が死刑を免れないと恐らく予想していたと思うのですが、笑みを浮かべることがありました。

 

 

そして、神風特攻隊の人たちも自分たちが死ぬのにも関わらず、笑顔でいます。

 

下の記事にある部隊以外の特攻隊の人たちもいくつか笑顔の写真が残っています。

 

www.chichi.co.jp

 

 

なぜ笑顔でいられるのか疑問でしたが、みんなサムライ精神を持っていたからだとわかりました。

 

 

誰とは言いませんが、A級戦犯として逮捕されたのに、取引により戦犯訴追を逃れた人がいます。

 

そして、戦後CIAエージェントとしてアメリカの国益のために動きましたが、その人にはサムライ精神も今後別記事で解説する国家観も精神もありませんでした。

 

 

 

ちなみに、特攻隊員の全員ではありませんが、何割かは死を纏っています。

 

生き続ける選択をするにせよ、死を覚悟した人は情報として死を纏うみたいです。

 

苫米地さんも沖縄拳法の山城美智師範も三島由紀夫も、そして、「死なばもろとも」のガーシーも死を纏っています。

 

死を前提として生きることで、生が輝くそういう感覚であるとも考えています。

 

 

僕は苫米地さんの本の中に非言語情報が埋まっているので、そういった情報を学ばせてもらっています。

 

この死の感覚は↓の本から学ばせてもらいました。

 

「生」と「死」の取り扱い説明書 | 苫米地 英人 |本 | 通販 | Amazon

 

生きること、死ぬことを見つめ、生を輝かせたい人に参考になると思います。

 

 

日本という国は今の形で残ることはないかもしれませんが、そこで培われた精神は未来に残す価値のあるものだと僕は確信しています。